ハコイリ♡ムスメ 沖縄合宿レポート
2019年7月18日(合宿3日目)ボーカルレッスン


1)前置き~会場へ
ハコイリ♡ムスメの夏の恒例となった(?)強化合宿。今回、写真集作成クラウドファンディングのリターンで、取材者として参加させてもらうことができました。
今年は「超地獄の強化合宿」と題され(昨年と較べて「超」が追加になった)、場所が灼熱の沖縄、昨年よりも過酷な予感に満ちた企画でしたが、果たしてその実態はどうだったのでしょうか!?
拙い文章と写真で恐縮ですが、雰囲気の一端でも伝われば幸いです。

今年の合宿は1日のうちにダンスレッスン、ボーカルレッスンが組み込まれる構成でした。 取材は7月16日~18日の3日間の日程から1コマを選択する形式。私が取材したのは、最終日7月18日のボーカルレッスンです。

合宿直前に同じく沖縄で開催された、7月15日の野外音楽会の2部で、寺島和花さん、戸羽望実さんが体調不良で特典会に欠席・部分参加となる中で、合宿には無事に参加できているのか?と気になりながらの会場訪問でした。

会場は沖縄中部、恩納村の某所。壁の1面がガラス張りになった、ダンス・音楽用のレッスン会場です。
ハコムスの密着企画は何度か参加していますが、やはり会場に入る際には緊張します。
取材陣の集合の際に鈴木Pから「満身創痍ですが」との言葉もあり、そんな状況でも努力するメンバーをしっかり見届けねとば覚悟をしました。

2)レッスン開始
会場に呼び入れられ、挨拶を終えると早速レッスンスタートです。
寺島和花さん、戸羽望実さんはやはり椅子に座って見学とのこと。それでも立っているメンバーと変わらない真剣な表情に、 意気込みと万全な体調で参加できない悔しさを感じました。

先生はボイストレーナーのChiiko先生(平田千恵先生)、沖縄で沢山のアーチストを指導してきたベテランの先生とのこと。 我々取材陣にも気さくに話掛けて頂き、とても包容力を感じられる先生でした。
この日のレッスンは最終日の3日目、これまでの2日間の確認と総仕上げといった位置づけでした。

推測も混じりますが、レッスンを通じて私が聞き取った、昨日までの指導ポイントは以下の通り。
・鼻呼吸をすること。それによって口の渇きと声の掠れを防ぐ
・マイクを真っ直ぐに持つこと。声が通り、顔も客席から見える。
・体力を付けること。
・体をやわらかくして緊張をほぐすこと。
・声は上から。頭から声を出す。
・自分の体を自分で体調管理をすること。お客さんにとって、メンバーの欠席はアンラッキーでは済まない。
これらの確認、実践、練り上げを進めていきます。

最初は質問タイムから。前日までのレッスン内容を踏まえて、発声や体のケア、準備などの質問が多かったかな。
※以下全体に、読みやすくするために出来るだけ発言を「」書きにしていますが、記憶と手書きメモから思い出して書いています。 ニュアンスと捉えていただいて不正確さは容赦ください。

塩野さん「梅干しが好きなんですけど良くないですか?」
Chiiko先生「唾液は歌うために大事。唾液を出す助けになるけど、ある程度は加減したほうがいいかな。それはガムとかも。」
「口を大きく開けなければいけない、というより笑顔のような口を大きく開けられる状態を作って欲しい。適正に音の出だしに合う声が出せるように。」

寺島さん「日によって低い声が出るときと出ないときがあるのはどうしたら良いですか?」
Chiiko先生「基本的には低い声は才能だけど、出てるって事は自分の範囲ってこと。 日による違いは体力とか姿勢とかが影響してる。寝不足を避けて姿勢を良くしたりで変わってくる。」

井上さん「時々おじさんの声になってしまうんですけど」
Chiiko先生「掠れの予防には喉のケアが大切。ホコリとか乾燥を避けること。 特に季節の変わり目は気をつけて、マスクは必ずする。あとおしぼりを使うとか。部屋に良い加湿器を使うのもいい。」

吉田さん「声を張るのは割りとできるんですけど、柔らかい声を出すのが難しいです。」
Chiiko先生「体の緊張をほぐす。首を真っ直ぐに肩を下ろして体を柔らかく緩めて。」

3)「抱きしめて」「泣かないでエンジェル」「水平線でつかまえて」
Chiiko先生から「歌を聞くよ」と、ここで実際に振りを含めて曲を歌って指導する段階になります。
ここでコンサートについて質問。「コンサートは何曲やるの?MCは?」
メンバー「全部で20曲くらいです。MCは3曲くらいごとに。」
Chiiko先生「それなら3曲は続けて歌えるね。」と本番同様に3曲連続で行うことになりました。

連続で歌うためには、普段から体力をつけることが大切というお話と、曲を連続して歌うことで体力もつくという教えを頂いてから、 「抱きしめて」「泣かないでエンジェル」「水平線でつかまえて」の3曲を歌います。

私の視点では、実はレッスン開始時点では、メンバーの表情がちょっと硬くて元気が無いなと思っていました。 最終日だし午前のダンスレッスンの後だし疲れているのかなと。ところが歌って踊り始めると元気に見えてくるから不思議ですね。 実際に笑顔で歌って踊ると元気が出てくるのかな?
これ以降はミーティング場面でも、徐々にメンバーの表情が柔らかく楽しそうになってきたのが印象的でした。 Chiiko先生の指導の優しさもあると思います。前半と後半の写真のメンバーの表情を見較べてみてください。

3曲終了後にChiiko先生から指摘が入ります。
「後半に喉が疲れている子がいる。コンスタントに歌えるように鼻呼吸をしないとダメ。」 「マイクの持ち方がまだなっていない。真っ直ぐ持たないと顔も見えないし鼻息が入る。」「重心を真っ直ぐに。」

具体的な改善のための指導として、床に座って体の力を抜いて少し上体を後ろに傾ける「ながら腹筋」を実施。 「腰に負担を掛けない、手で脚を支えない、肩を張らない」など効果を出して体を痛めない指導が入ります。
そのままアカペラで「抱きしめて」を歌ってみる。「これだったら家で出来るでしょ?毎日3曲は歌う。」
脚を曲げて先生に抑えてもらうストレッチも順番に。終わった後に「体が軽い」と喜ぶメンバーが可愛らしい。

とはいえ「3曲全部口呼吸だったよ?」という厳しい指摘もあり、更にもう一度同じ3曲を通すことに。 鈴木Pからも「歌のレッスンだけど、ダンスも同じように本気でやって」と鋭く指示が飛びます。
お二人の指摘は厳しかったけれど、取材者の私の目から見て、メンバーの調子が上がってきているように感じました。

2度めの3曲連続終了後に、Chiiko先生から体を使う指導が入ります。
今度は腕を背後から上周りで前方に回して声を出す練習。
「音は上から。ボールを前に投げるイメージで。大きく腕を回してみる。慣れてくると小さくてもいいしイメージだけでも出来るようになる。」 「目線は真っ直ぐ、下を見ない。目元を緊張させない。首も柔らかく。自分の体からでる音が基本。」
次に肩の上げ下げ、腕を後ろで組んで首を左右に。腕をぶらぶらして下に振り払う、など体を柔らかくする練習。
「体全部を使って歌を作る」

ここで一旦休憩に。その間にも先生に声の出し方などを熱心に質問する次期リーダー吉田さん。ほんわかしたタイプのキャラクターですが、こうした真面目な熱心さが次期リーダーとしての自覚の表れかも知れないな、と思いました。後ろで聞いている次期サブリーダー井上さんと、好奇心旺盛な山本さんの姿もいい光景。

4)「Let's Party Time!」
次に激し目の曲を練習しようということで、「Let's Party Time!」を歌います。

Chiiko先生からの指導。「鼻呼吸がまだ出来ていない。それと肩が上がるとのぼせて耳に膜が張ったようになって音が聞こえにくくなる。」
耳を回して柔らかくする体操が入ります。
「顔面筋を使って、起きてますって表情を作って目を開いて。」
「じゃ、もう一回やってみよう。」と「Let's Party Time!」をもう一度。
さすがにこの曲を二度歌った直後はみんな苦しそう。でも集中していて、いい感じに声が胸に響きます。

Chiiko先生「まだはあぁはぁ言っている。多少のノイズは仕方ないけど、できるだけ我慢する。口呼吸はどんどん苦しくなってくるからね。馴れないとキツイんだけど、体力勝負だからね。あと目がまだ閉じてる。きっちり本番前に練習して開いて入って。」

我妻さん「ずっと歌ってると鼻が閉じて呼吸が苦しくなってくるんですけど」
Chiiko先生「顔の筋肉をほぐしておかないとライブ中にどんどん苦しくなる。のぼせて鼻が閉じてしまってる。MC中に誰かが喋ってて自分が空いているときなどに、肩を下げて鼻で呼吸する。筋肉をほぐす。」
こめかみから顎関節までほぐるマッサージ、口角を上げる運動を教わって実践。
「ほら、更に動きやすくなったでしょ?」

Chiiko先生から塩野さんに「咳が減ってきたでしょう?口が渇いてくると喉に負担がかかる。鼻呼吸が出来るとどんどん楽になる。どんどん楽にしましょう。」

5)「海へ行こう~Love Beach Love~」~コンサートに向けて
次に鼻呼吸の練習のため動いて歌う曲をということで「海へ行こう~Love Beach Love~」を歌います。

Chiiko先生「鼻呼吸をすると楽だったでしょ?自分で自分を苦しめちゃダメ。ステージでは苦しいって見せないのも大切。私達が楽しいんだからみんなも楽しいでしょって。」

最後に質疑応答と、Chiiko先生から総括としての指導の時間。
「あと10日。一番は体調を崩さないこと。なるべく外を歩かない。歩くときはかかとを付けない。それは余計に疲れる。」
「歩くときは体力をつけることを意識して。」
「(昨日のハモリの練習で)自分の音の幅を分かったはず。1音にも幅がある。自分の音の位置を把握して、集中してみんなで合わせること。バラバラだとユニゾンもハモリも合わない。それで続けるのは無駄。無駄なことしてる時間はない。自分の音を把握してみんなで合わせる。そのために集中して合わせる時間は無駄じゃない。そのためのミーティングは大切。」
「刺激物は避けること。お母さんのカレーが大好物でも今は我慢。練習を詰めている状態ではちょっとした刺激物も良くない。わさび、にんにく、しょうがはOK。」
「咳き込む原因になるものは食べない。みんなの大好きなポテトチップはダメ。ナッツもダメ。」
「ロールケーキはいいかな。牛乳がいい。生クリームでも。ケーキ差し入れしてもらいなさい。」
「飲み物は選んで飲むこと。ウーロン茶はご飯と一緒ならOK。」
「今日から毎日お茶でうがいして、その後保湿する。」
「のど飴は良いけど、なめた後に喉が渇くので水分も取ること。でも本番の10分前まで。」

井上さん「喉の調子が悪いときに、市販薬を飲むことがあるんですけど、なかなか良くならなかったりします。」
Chiiko先生「市販薬は対症療法的な場合もあるそうです。お薬は自分にあったものがいい。風邪やアレルギーなどはお医者さんに掛かるのが一番。まずは元気に自分たちの体を管理して誰にも心配かけないようにする。それが大切。」
「チームみんなが元気で居られるようにすること。チームだから一人の調子の悪さは全体に響きます。どうすれば自分は一番いい状態でいられるのか意識して。」

大切なコンサートに向けて、体を大切にしてコンディションを自分で管理・把握してコントロールすることを具体例を挙げて優しく指導されていました。
「自分のことを分かるのが大事。自分が何が苦手だか分かるのが肝心。得意なことは出来るからいい。苦手が分かればそれを練習できる。 自分がどうすれば頑張れるのかを知って欲しい。」

鈴木P「声量のあるメンバーとないメンバーが居る。無いメンバーを上げるにはどうしたら良いのでしょう?」
Chiiko先生「色々方法はあります。声量の有無は個人の体によりますけど、舌根の下がり方を直したり、腹圧、肺活量を鍛えたり。 ながら腹筋で鍛えたり、息漏れを防ぐような声の出し方を練習したり。重心を忘れず上から声を出すようにしたり。個人の特質を活かして。」

我妻さん「たくさん歌ったりした後に、首の脇が張ったりするのですが。」
Chiiko先生「肩凝りね。肩と首に力が入りすぎている。あんまり力入れると血管が切れるよ。おかあさんが怒ったときみたいに(笑)プチンって。」
井上さん「血管きれてますか?」

井上さん「コンサート前に整体とか行っても大丈夫ですか?」
Chiiko先生「問題はないけど、整体は合う合わないがあるので、コンサートの前に急に新しいところに行かず、 前から行ったほうがいいです。スポーツリハビリをやっているところが良いかも。衣装に響かなかればいいと思います。」

鈴木P「歌に感情を乗せるにはどうしたら良いでしょうか?テクニックはありますか?」
Chiiko先生「テクニックはあります。要は演技力。上手く歌おうとすると壁ができる。そうじゃなくて本当の気持ちで自分をその気にさせる、そのための本気の演技をする。音大でも笑ったり泣いたりの演技の練習があります。鏡に映っている自分を見て、綺麗に見えるには、笑ったり怒ったりするとどうなるか、自分がどうなっているかを知る。」

6)「ストローハットの夏想い」
最後に、先生に向かって1曲歌うことになりました。「その気になって」ハコイリムスメの本気の歌を。
先生の体験談として、レッスンの生徒が先生の誕生日に、感謝の気持ちを伝えるためだけに、 舞台ではないのにメイクも衣装もフルで歌ってくれて、大変感激したというエピソードを伝えていただいて、 ハコムスも本気で届けようとします。キュンと来るような歌を。
先生には鏡の前に座ってもらいます。曲は「ストローハットの夏想い」。

Chiiko先生「ありがとう。一生懸命だったと思います。とても可愛かった。でもまだ感情を表に出すのが苦手かな。言葉を大切にしてほしい。」「歌詞の意味を、言葉をにして伝えるのはとても難しいことです。言葉には流れがあります。山のように波のように。それを感じて歌って、伝えて欲しい。」「あとコンサートまで1週間、時間は足りません。頑張ってください。7月28日ぜひ成功してください。」

7)エンディング~個人的感想
ということでレッスン終了しました。
最後に先生とメンバーの記念写真。取材陣はその後に記念撮影の時間がありました。メンバー元気でしたね。そして2時間半のレッスンはあっという間でした。

取材を通じた個人的な感想を最後に。 昨年は合宿の初日、追加になった東京でのダンスレッスンの取材に参加しました。なので今回はできれば最終に現地でボーカルレッスンと願っていて、結果かなった形です。 昨年はKEN先生のダンスレッスンで、チームでステージを作ることの大切さを指導されていたのが印象に残っています。2019年のハコムスのテーマ「Enjoy&Teamwork!」も、それを受けてのことかな、とも思っています。 今年のレッスンでは、自分を知ること、自分を大切にして力を付けること。それがチームとしての力になる、といったことを学べた気がします。 途中にも書きましたが、メンバーが徐々に心身ともにいい意味でリラックスして、力を発揮できるようになっていたのも印象的でした。 残念ながらフルメンバー動いてのレッスンではありませんでしたが、寺島さん、戸羽さんも見られる時間は真剣に見学していて、得るものは沢山あったと思います。 この合宿を経てから1週間、コンサートが改めて楽しみになりました。取材することでコンサートの楽しみが深まり、ハコムスメンバーの理解が増したのは間違いないところ。次回も都合がつけばぜひ参加したいと思っています。

最後に、ハコイリ♡ムスメメンバー、Chiiko先生、ハコムス運営、一緒に参加した取材者の皆さん、ありがとうございました。

取材 : きむかつ